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【あなたは大丈夫?】助成金申請を後悔する会社の特徴5選

  • 助成金ってどんな会社でも受給できるの?
  • 取り組み始めてから後悔したくない…
  • リスクがあるなら事前に把握しておきたい

助成金申請、せっかく取り組むならしっかり受給したいですよね。

それなら善は急げと進めても、助成金制度の適性を確認せずに申請するのはNG。

「結局労力だけかかって結局受給できなかった」
「助成金申請しなきゃよかった」

と後悔することになりかねません。

この記事では助成金実務を行う社労士がその経験をもとに『助成金申請を後悔する会社の特徴5選』を紹介します。

助成金制度を有効に活用して、スムーズな受給に繋げてほしいという思いを込めて、申請ポイントもお伝えしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

を読むメリット
  • 見切り発車で後悔しないポイントがわかる
  • スムーズな受給のための下準備ができる
  • 助成金申請への適性を確認できる

当サイトにおいて助成金とは『厚生労働省管轄の雇用関係助成金』を指しています。経済産業省管轄の補助金とは性質が異なりますので、ご注意ください。

目次

助成金とは会社の取り組みに対する公的なインセンティブのこと

助成金とは会社の取り組みに対する公的なインセンティブのこと

助成金とは一言でいうと、会社の取り組みに対する、国からの公的なインセンティブです。

助成金の対象となる取り組みは主に次のようなことが挙げられます。

  • 快適な職場環境づくり
  • 働き方の改善
  • 雇用の拡大
  • キャリアアップ支援
  • 労働条件の向上など

本題と逸れてしまうので、ここで具体的な取り組みの詳細までは触れませんが、大切なのはあくまで“取り組みありき”だという点です。行動し実績を出してこそもらえるインセンティブ的性格のため、支給にあたり一定の制約や基準が設けられています。

助成金制度が全ての会社に適しているわけではない

各助成金には「支給目的」「申請手順」「支給方法(いつ、どのようにして支給されるか)」などが細かく決められています。

このような各助成金ごとの制約や基準の一つ一つを要件、要件をまとめたルールブックを支給要領といいます。


つまり、要件を満たして支給要領に沿った申請をできるかどうかが非常に重要になってくるわけです。

「こんな制度を導入したい」と思っていたところ偶然使える助成金があって見事マッチしたという、会社に助成金制度が合えば理想的なのですが現実そううまくもいきませんよね。

助成金制度に会社が合わせていくと、不都合を生じるケースがあります
これが助成金制度が全ての会社に適しているわけではないと考える理由です。

助成金申請をおすすめしない会社の特徴5つ

要件に縛られたくない

助成金申請の要件として、申請手順を守る必要があります。
例えば設備投資でいうと、問題になるのは次のようなケースです。

設備投資を今月中に行いたい!

制度上、今月は難しいです、、

助成金制度を利用しようと思ったら、申請手順として設備の導入時期は決まっているため、希望の時期に設備導入できない、ということが起こりえます。

助成金活用よりも早期の生産性向上に対するメリットを優先させたいこともあるでしょう。

要件に縛られず自由に取り組みを行いたい場合は、助成金申請をおすすめしません。

申請ポイント

助成金を活用するなら支給申請までの道筋を立て、計画的に実行することが重要。
申請手順や制度導入などの要件がクリアできるか、事前にしっかり確認しましょう!

今すぐ受給したい

助成金はコースにもよりますが、一般的に支給申請まで1年以上かかる場合が多いです。
例えば、キャリアアップ助成金の受給までの流れは次のとおりです。

【図解】キャリアアップ助成金正社員化コース
受給までの流れ
計画申請、認定→制度導入→正社員転換→支給申請→審査→受給


申請したい助成金がみつかってすぐに着手したとしても、要件を満たして支給申請するまでに時間がかかり、さらに支給申請後の審査にもクリアしてやっと受給に至ります。
そのため、今すぐに資金が必要という場合の資金繰りとして助成金は活用できません。

申請ポイント

助成金が支給されるまでの間、短期的な資金ニーズをカバーするため融資等をあわせて検討しましょう。
ただ、助成金を返済のあてにするのは制度の性質や趣旨目的の観点からもおすすめできないので慎重に。

離職率が高い

人材が定着せず、離職率が高い場合も要注意。
なぜなら助成金制度の「対象者」がいる場合、少なくとも支給申請の日までは在籍している必要があるからです。

先述したキャリアアップ助成金の例でいえば、13ヶ月以上(支給申請日まで)は在籍していることが必要。

その前に離職してしまった場合、いくら他の要件を満たしていても支給申請は断念せざるを得ず受給できない事態となってしまいます。

リスクを承知で取り組むことは可能ですが、入社後1年未満で退職してしまうパターンが多い‥という場合はほかの策を練る方が賢明かもしれません。

申請ポイント

制度導入をメインとしたものなど、対象者の離職が影響しない助成金もあります。対象者の離職によるリスクが伴わない助成金を検討するのもひとつの手ですね!

労務管理に問題がある

労務管理に問題があると助成金の審査が通りにくいだけでなく、会社の評価や信頼性にも影響するおそれがあるため注意が必要です。

助成金は公的なお金なので、支給するには法律違反をしていないことが前提になります。
1日若しくは1週間の法定労働時間を超えた所定労働時間を設定していたり、残業代を正しく支給していなかったりすれば当然助成金の審査段階で指導が入ります。

助成金を受給するためには適切な労務管理を行う必要があります。
最低限必要な労務管理として、以下のリストをご確認ください。

最低限必要な労務管理
出勤簿・賃金台帳は揃っているか
労働保険(労災・雇用)は適切に加入しているか
社会保険(健保・厚年)は必要な場合、適切に加入しているか
雇用契約書(労働同条件通知書)は交付しているか

特に労働時間や賃金に関する部分は労務の根幹であるため、厳しい審査が行われる傾向にあります。
事情があって労務状況を改善できない場合、助成金申請は一旦後回しにすることをおすすめします。
仮に申請しても、審査が通らず助成金が受給できないことはもちろん、場合によっては行政指導の可能性もあるからです。

「労務管理ってどうすればいいの?」という方は、厚生労働省からやさしい労務管理の手引きというパンフレットが出ていますので参考にしてください。

労務管理をしっかり整えて、助成金を活用しましょう

申請ポイント

現時点で労務管理に自信がなくても大丈夫。
まずは基盤となる労務管理を整えてから、助成金申請に踏み切りましょう。労務管理状況の確認は所轄の労働基準監督署やハローワーク等で相談できます。

取り組みを行う余裕がない

冒頭で、助成金は「取り組みありき」だという点についてお話ししました。

快適な職場環境づくりとして休暇制度を導入したり、新規雇用やキャリアアップ支援を行ったりなど助成対象となる取り組みは数多くの選択肢が用意されています。

ですが、そこに取り組むには一定の労力が必要です。

かかる労力を可視化してみる
必要書類の収集、計画・支給申請の書類作成、就業規則作成改訂、支給要領に沿ったスケジュール設定、助成制度の取り組み

実際に着手してみると「思っていたよりかなり大変だった…」ということがよくあります。

途中で断念しても良いのですが、せっかく取り組むのなら受給まで完遂したいですよね。また、途中で断念した場合のデメリットとして、助成金の種類とタイミングによっては同じ制度は二度と申請できないこともあります。

業務の繁忙期や担当者のアサインなど会社の状況をふまえて、助成金申請に取り組むことが可能かどうかを検討してみてください。

自社だけで取り組むのはなかなか大変そう…

社労士のサポートがあれば断然楽になりますよ!

申請ポイント

かかる労力も事前に想定しておけば安心ですね。もし自社での申請が難しそうなら社労士の活用も検討してみてください。自社で行うよりも負担はグッと減って受給率は各段に上がると思いますよ。

【まとめ】スムーズな受給のためには事前のリサーチが重要

助成金申請には「支給要領に沿った申請」が必要であり、助成金制度が全ての会社に適しているわけではないことをお伝えしてきました。

  • 要件に縛られたくない
  • 今すぐ受給したい
  • 離職率が高い
  • 労務管理に問題がある
  • 取り組みを行う余裕がない

一方、上記に当てはまったとしても申請ポイントの工夫次第で助成金は申請可能です。助成金の特徴を理解して、リスクになり得る状況を事前に想定しておくことで、助成金が受給できないという不測の事態に備えることができます。

専門家の利用も検討し、助成金制度を上手に活用してみてはいかがでしょうか。

最後に、スムーズな受給に繋げるためには事前のリサーチがとても重要です。当サイトでは図解でわかりやすく、役立つ助成金情報をお伝えしていきますので、随時チェックしてくださいね!

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この記事を書いた人

米田 彩世のアバター 米田 彩世 社会保険労務士

開業社労士×図解×ブログ運営。企業や個人事業主、社労士事務所の担当者などに向けて、わかりやすい・親しみやすいをテーマに『図解でわかる助成金』の情報発信を行う。サウナが好き。

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